【写真で解説】スーパーカブ110プロ(JA07)のフロントフォークのオイルシール交換

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フロントフォークがオイル漏れした際に必要となるのが、オイルシールの交換です。

フロントフォークは走行時の振動減衰を目的としたサスペンションで、中にスプリングとオイルが入っています。そして、オイルが外へ漏れ出さないようにしているのが、オイルシールです。オイルシールはゴム製のパッキンなので、繰り返しの使用で切れたり、割れたりすることがあります。

フロントフォークにオイルのにじみがあったり、オイルシールにひび割れなどの異常が見られたら、早めに交換しましょう。

ショップの目安工賃:10000円〜

※セルフ整備はあくまで自己責任のもとで行なってください。

用意するもの

作業は部分的に別記事を参照しており、別記事中に記載のある工具などは割愛しています。

オイルシール

1個入りなので、左右のフロントフォークを交換する場合は、2個必要です。

ダストシール

JA07のカブプロは、フォークブーツが標準のため、ダストシールはついていません。
私のカブプロは、中古購入時からフォークブーツがついていませんでした。フォークブーツは割と値を張るため、ダストシールを装着します。

フォークブーツもダストシールもついていないと、オイルシールが丸腰になるので、どちらかはつけましょう。

こちらも、左右のフロントフォークを交換する場合は、2個必要です。

ねじゆるみ止め

ソケットボルトの固定用。また外すことも考えて、中強度のものを使います。

塩ビパイプ

オイルシールを打ち込むために使います。
ホームセンターでVP30というパイプを買います。長さは40cmが適当です。200円程度。

(参考)VP30とは塩ビパイプの規格で、外径38mm、内径31mmのパイプです。

六角レンチ(6mm)

鬼門のソケットボルトを外すために使います。
L型の六角レンチでも作業はできますが、トルクがかけにくいため、T型レンチがあると作業がしやすいです。

マイナスドライバー

ストッパーリングを外すために使います。

タイヤレバー

オイルシールを外すために使います。

今回使ったのは、上のタイヤレバーですが、これより短いものはトルクがかけにくいのできついです。慣れないと苦戦する作業なので、安全を見るなら専用工具を準備しましょう。

作業手順

フロントフォークを外し、オイルを抜く

下記事の手順2-6 “古いフォークオイルを抜く”まで実施します。

インナーチューブを抜く

再度仮組みをする

古いオイルシールは、インナーチューブを抜かないと外せません。また、インナーチューブを抜くためには、フロントフォーク底面にあるソケットボルトを抜く必要があります。

ただし、ソケットボルトをそのまま外そうとすると、インナーチューブ内のフォークピストンと供回りし、緩みません。

そのため、ソケットボルトを抜くための前準備として、再びスプリングを入れ、フォークキャップを締め、仮組みします。そうすることで、スプリングが軸方向に突っ張るため、供回りを防ぐことができます。

ソケットボルトを外す

鬼門の作業です。

ソケットボルトをレンチ(6mm)で外します。なお、L型レンチだと、首下が長い方でしか届きません。トルクがかけにくいため、メガネレンチをかけてトルクを稼ぎました。

なお、ソケットボルトを外すためには、ボトムケースが回らないように固定する必要があります。万力があればよいのですが、今回は、2本のフロントフォークを横並びにし、アクスルシャフトを通すことで、ボトムケースの回転防止としました。

ソケットボルトの外し方

仮組みしても供回りは完全に防止はできないため、一気にトルクをかけるのコツです。また、一度供回りすると、供回りしっぱなしになる可能性大です。供回りした場合、ダンパーロッドが必要になるかもしれません。

古いオイルシールを外す

ストッパーリングを外す

オイルシールの抜け防止用である、ストッパーリングを外します。
少し内側へ凹んだ部分があるため、そこに外側からマイナスドライバーを刺し、めくりあげればとれます。

古いオイルシールを外す

タイヤレバーをオイルシールの内側からひっかけて、めくりあげます。

硬いので、一気に力をいれて外すのがコツ。
タイヤレバーで、ボトムケースを傷つけないように、接触部にはウエスをあてる。

新しいオイルシールを組み付ける

インナーチューブを組みつける

ボトムケースに、フォークピストン、インナーチューブを挿入します。
その後、ネジロック剤を塗布したソケットボルトを、フロントフォーク底面に締め込みます。

新しいオイルシールを組み付ける

インナーチューブ上端から、新しいオイルシールを挿入していきます。

オイルシールの破損防止として、オイルシールが入っていた袋を、インナーチューブ上端に被せてから挿入する。また、オイルシールの内側には、新品のフォークオイルを塗り、すべり抵抗を下げる。

オイルシールを手で入れられる所まで入れたら、上から古いオイルシールも挿入します。さらに、塩ビパイプを挿入します。そして、塩ビパイプ上端をハンマーで叩き、オイルシールを叩き入れます。

ダストシールの打ち込み方

その後、古いオイルシールを抜き取り、ストッパーリングを装着します。

オイルシールの打ち込みが浅いと、ストッパーリングが溝に収まらないため注意。

(ダストシールを打ち込む)

ダストシールをつける場合は、ここでとりつけます。
オイルシールを取り付けと同じ要領で、新品のフォークオイルを内面に塗布し、塩ビパイプで打ち込みます。

フォークオイルを入れ、車体に組み付ける

下記事の手順2-8 “新しいフォークオイルをいれる”から実施し、車体への組み付けたら完了です。