カブの定番改造であるスプロケット交換。フロントスプロケットを14T⇒15Tに変更することで加速がスムーズになり、体感的には非常によい効果が得られました。また、最高速も上がっているはずですが、理論値としてどの程度向上するのか、計算してみました。
なお、スプロケットの交換方法は下の記事を参照ください。
ギヤ比について
まず最初に、ギヤ比という言葉について、確認しておきたいと思います。ここでいうギヤ比とはいわゆる2次減速比というもので、
“リアスプロケットの丁数 ÷ フロントスプロケットの丁数”
により計算されるものです。言い換えると、
“リアスプロケットを1回転させるには、フロントスプロケットを何回転させればよいのか”
を表しています。なお、エンジンの回転はフロントスプロケットからチェーンを介し、リアスプロケットに伝わり、後輪を駆動させます。つまり、上記をさらに言い換えると、
“後輪を1回転させるには、エンジンを何回転させればよいのか”
と、同義であることになります。
つまり、スプロケットの丁数変更とは、エンジンの回転数と駆動する後輪の回転数の比率を変えるものと言えます。
なお、上記を2次減速比というのに対し、1次減速比とはエンジンの中で行われる減速のうち、クランクシャフトとドライブシャフト間で行う減速のことです。クランクシャフトの回転数は、1次減速⇒ミッションの減速⇒上記2次減速⇒後輪へと伝えられます。そのため、エンジンの回転数と後輪の回転数には、以下の関係式が成り立ちます。
“後輪の回転数 = エンジンの回転数 ÷ 1次減速比 ÷ ミッションの減速比 ÷ 2次減速比”
さらに、後輪の回転数にタイヤの周長をかけると、車速を計算することができます。
カブプロ(JA07)の仕様について
公式に記載されている諸元を抜粋すると、以下の通りです。
最高速度の変化について
まず、フロント/リアの丁数の組み合わせから、2次減速比を計算すると下の表になります。青セルがカブプロ の14⇒15Tです。オレンジセルは参考まで、スタンダードカブの14⇒15Tです。
ここから、冒頭で記載した車速の計算方法と前項の諸元から、最高速度の変化を計算してみます。
[変更前]
7500 × 60 ÷ 1000(エンジン回転数) ÷ 4.058(1次減速比) ÷ 0.916(4速ギヤ比) ÷ 2.143(2次減速比) × 1.621(タイヤ周長) = 91.6km/hr
[変更後]
7500 × 60 ÷ 1000(エンジン回転数) ÷ 4.058(1次減速比) ÷ 0.916(4速ギヤ比) ÷ 2.000(2次減速比) × 1.621(タイヤ周長) = 98.1km/hr
2次減速比の変化も7%強なので、最高速度の変化も7%強となります。
なお、最高速度についても、丁数の組み合わせの表を作ってみました。上記同様に、青セルがあるのがカブプロ 、オレンジセルがあるのがスタンダードカブです。
燃費の変化について
14T⇒15Tのスプロケット交換で、2次減速比は93.3%になります。すなわち、同じ速度で比較するとエンジンの回転数が93.3%に低下するため、燃費向上が見込めるはずです。
ただし、アクセルワークやタイヤの状態、外気温など、様々な因子に左右されるものと理解しています。そのため、燃費は向上する方向にはありますが、実際にどれだけ向上するかは予測が難しく、やってみないとわからない、と思っています。
まとめ
今回のスプロケットの丁数変更で、同じエンジン回転数でも、速度が7%強upすることがわかりました。感覚的に、0.5〜1速増えたような感じだったので、何となくのイメージとあいます。
あとは燃費ですね。webで色々な方が書かれている数字と比較すると、僕のカブは圧倒的に悪い気がするので、、。