電気制御により、燃料の噴射量やタイミングをコントロールしているFI車は、どのように噴射量やタイミグを決めているのでしょうか。車両に取り付けられた様々なセンサーは、ECU(Engine Control Unit)というコンピュータユニットに対して、車体のコンディション情報を送信します。ECUはその情報をもとに、最適な噴射量やタイミングを演算するわけなのですが、そのセンサーの一つにO2センサーがあります。今回、そのO2センサーの清掃を行いました。
O2センサーとは?
O2センサーは、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサーです。燃料が濃い場合、酸素の多くは燃焼するため、排気ガス中に酸素は少なくなります。一方で、燃料が薄い場合は、反応しきれなかった酸素が多く残るため、酸素濃度は高くなります。O2センサーではこの酸素濃度の変化で生じる、ジルコニア素子の起電力を検出して云々、なわけですが、そこは詳しいサイトに譲ることにします。
大事なことは、このO2センサーが正常に機能しないと、適切な量の燃料が噴射されない、ということです。これは燃費の悪化につながるものです。しかし、常に排気ガスに晒されるO2センサーは、カーボンなど排気ガス中の汚れが付着しやすい環境にあります。適当に清掃してあげることが、燃費の向上、あるいは車体へのケアにもなると思われます。
O2センサーを外す
O2センサーはプラグの下あたりについています。特にレッグシールドを外さなくとも作業できましたが、お手持ちの工具によっては、外さないと工具が入らなかったりで、作業ができないかもしれません。まず、10mmのボックスレンチかメガネレンチで、残念なくらい錆びたボルトを外し、小さな金属のカバーを外します。
プラグキャップのような黒いキャップが見えてきます。このキャップを軸方向に引き抜きます。
キャップを外すと、白いセンサーの逆端が露わになりました。センサーの根元は17mmの六角となっていますので、メガネレンチで外します。なお、センサーは衝撃に弱いので、取り扱い注意です。外れた瞬間、下に落とさないようにします。万一落としても大丈夫なように、下にクッションになるものを敷いてもよいかもしれません。面倒なので、敷きませんでしたけど。
O2センサーを清掃する
やはり黒い。真っ黒です。というか、よく見ると、、
プロテクタの穴という穴ががっつり閉塞しています。予め色々なwebサイトで予習していた僕としては、表面を真鍮ブラシでさっと清掃して終わりかと思ってました。他のwebサイトで見たやつは、こんな酷くなかった。断トツ1位で汚い。カーボンのATフィールド全開で、O2センサーは排気ガスに全く晒されていないのでは、と不安しかありません。とりあえず真鍮ブラシで清掃してみたものの、閉塞部のカーボンは塊となっていて、硬い。もともとこんな状態だし、最悪交換する覚悟で、マイナスの精密ドライバーでこそぎ落とすことにしました。
センサーの先端を拡大すると、こんな感じです。
僕の初代iPhone SEではうまくピントがあわず、よくわかりませんが、付着していたカーボンはだいぶ除去できました。とりあえずよしとします。なお、清掃する際も、落下には気をつけましょう。素手で持って真鍮ブラシでゴシゴシしていると、気をつけていても、危うい場面がありました。
O2センサーを取り付ける
基本的には、外した時と逆の手順でよいのですが、焼きつき防止としてネジ部に銅グリスを塗布すべきなようです。持ってなかったので、改めて、取り外し、清掃した後、塗布することにしました。
まとめ
O2センサーの清掃を行いました。作業自体は特に難しいこともなく、プラグ交換と同じようなものでした。また、予想以上に汚れていたO2センサーは、僕の気持ちをげんなりさせたと共に、圧倒的な燃費の悪さの原因であることを期待させるものでした。
僕のカブプロの燃費は40km/L程度で、知り合いのカブ主や、他のwebで見聞きする値よりも、ぶっちぎり悪いものです。「カブ乗ってるの?燃費いいんでしょ?いいねー。」と言われるたびに、「いや、べつに」と死んだ顔をしながら、心の中でつぶやく事も何度かありました。そんなすさみかけた日常を、O2センサーの清掃がきっと改めてくれるのだと、信じて止みません。
燃費については適当なタイミングでレビューしたいと思います。